給与計算業務を社内で行う際に知っておくべきこと

What Businesses Need to Know About Running Payroll

COVID-19のパンデミックが信じられないことに2年目に突入し、人命と生活の両方に影響を与え続けています。

この環境下で、世界中の企業は間違いなくビジネスプロセスを見直しています。

多くの企業は、このような苦境の中で直面している変化に対して、積極的に対応しようとしています。

企業は、サービスを提供する方法においてスピードを維持しながら、顧客とのつながりを保ち、サービスを改善し、ポートフォリオを拡大し、成長を促進する方法を見つける必要があります。しかし、私たちが直面しているパンデミックの環境下では、大きな動揺、不確実性、混乱が企業内に生じます。

給与計算は、ビジネスの中核となる恒常的な業務であるため、どのようなビジネスにおいても重要な要素です。その継続性を確保することが何よりも重要です。この点を考慮して、社内で給与計算を行っている企業が注意すべきポイントをまとめてみました。

1. 給与計算チームの責任とスキルセットが明確になっていることを確認する。

可能な限り最高の給与計算チームを持つことが重要です。

給与計算チームのマネージャーは通常、チームを監督しますが、その規模は組織によって異なります。マネージャーは、すべての給与支払いを確認・承認し、給与に関する問題について対応します。

また、法律や規制の変更、企業ポリシーの更新、給与体系の明確化など、さまざまな問題について従業員を教育します。

マネージャーはチームメンバーそれぞれの責任とスキルを記載したリストを作成しておく必要があります。そうすることで、作業名簿やスタッフの空き状況、ロックダウンや混乱による変化が生じた際に、タスクを迅速かつ容易に再配分することができます。

特に、個人やチームがリモートで仕事をする必要がある場合、給与計算業務が中断されないように、リモートアクセスの認証方法と業務プロセスを明確にして共有する必要があります。

給与計算のSaaS(サービスとして利用されるソフトウェア)を利用している場合、通常、SaaSにはタスクスケジューラ機能があります。これを活用することにより、チームリーダーは、個々のスキルや就業時間に基づいて、給与計算処理のタスクを割り当てることができます。

2. クラウドのデータストレージとともに、ハードウェアとソフトウェアを最新にしておくことが重要です。

Having up-to-date technology hardware and software, along with your cloud data storage is critical

これは優先順位の高い問題です。

給与計算プラットフォームを自社運用している企業は、以下の点を確認してください。 

給与計算チームは、給与計算プラットフォームとデータストレージにVPN(仮想プライベートネットワーク)で安全に接続する必要があります。VPNは、インターネットへの安全な接続を構築します。

チームが安全なVPNを使用することで、すべてのデータトラフィックが確実に暗号化されます。これにより、ハッカーの侵入を防ぎ、デバイスが攻撃を受けにくくなります。

今日、働く場所というのは、在宅勤務を考慮しなければならないように、ますます柔軟になってきています。このような状況下では、ネットワークへのリモートアクセスを可能にするために、堅牢なセキュリティシステムが必要となります。

また、こういった取り組みをサポートするために、従業員に定期的なトレーニングを提供する必要があります。利用方法やセキュリティ、システムの一般的な弱点や脅威、それらへの対処法などについて全員が理解できるようにします。

さらに、ストレージソリューションも必要になります。データの送信や処理だけではなく、それらの記録を維持することが求められます。ストレージソリューションは、データへのアクセスを容易にし、給与計算の際に最も重要となる信頼性を確保します。

3. 環境変化に対応する

パンデミックの環境では、世界中の政府が事態の進展に合わせて対応します。

各国政府はこれからも、国民を守るために随時、新たな規制の発表や変更を行っていくでしょう。例えば、マレーシアでは、COVID-19のパンデミックにより、国家的なロックダウン措置がとられたことを受けて、政府は景気刺激策を打ち出しました。

 

それだけではありません。規制当局への申請期日の延期や賃金補助、社会保障費の変更など、様々なことが起こりえます。これらは給与計算を複雑にする可能性があり、私たちが随時対応する必要があります。こういった変化にしっかり対応できていれば、違反や罰則を受けることは避けられるでしょう。

Keep abreast of regulatory changes

どうやったら給与計算をシンプルにできる?

この問いこそが、アウトソーシングが有効な戦略であることを証明しています。

アウトソーシングを利用することで、企業は重要な管理業務から解放され、ビジネスの推進に集中することができます。アウトソーシングを利用すれば、ハードウェア、ソフトウェア、人員を追加する必要がないため、コスト効率も高くなります。

ここでは、給与計算をアウトソースするとはどのようなことなのかを見てみましょう。

1. 初期設定

給与計算をするための要件調査を行い、組織固有のニーズとサポートのカスタマイズ方法を調査します。そして、これをサポートするために、給与計算処理プラットフォームを設定します。

そして、給与計算に関連するデータを取得し、プラットフォームへの移行作業を行います。スムーズな移行を実現し、潜在的な問題を早期に発見するために、システムとデータをチェックするためのテスト運用を並行して実施します。

2. 毎月のオペレーション

初期設定が確立されると、初回の給与処理が可能になります。これには、従業員への給料の支払い、必要な書類(給与明細を含む)の作成、法定報告などの業務が含まれます。

また、クライアントや従業員からの問い合わせに対応するためのシステムや手順を確立します。

3. 各年度で行う業務

各年次の税務申告書の作成と提出を行います。マレーシアでは、EAフォーム(annual employee tax return)とフォームE(annual employer tax return)というものがあります。

4. レポーティング

クライアントへの報告書には、業務の中で発生した差異、給与の調整、手当や控除など、給与に関するすべての関連情報が含まれます。

 

リスク管理の重要性

パンデミックは大規模な混乱を引き起こしました。全国的にロックダウンも実施されました。実店舗を持つ企業は、ビジネスの要点をデジタル化できない場合に、特に今後の展開に苦慮します。

 

そして、それは売上の低下につながります。

また、サプライチェーンの混乱や、こうした問題を回避するためのリモートワークの導入も進んでいます。

 

今回のパンデミックの影響で、企業は基本に立ち返る必要があります。

 

企業は、リスク管理に改めて焦点を当てながら、事業価値を保ちつつ、コストを削減しようとする傾向にあります。デロイトの最新レポート「グローバル・アウトソーシング」によると、 「コスト削減が最優先され、 クラウドやロボティック・プロセス・オートメーションが重要視されている」とのことです。

 

結論として、このような状況下で生じる混乱、悪影響、不確実性を最小限に抑える方法は色々と考えられます。給与計算のアウトソーシングの利用とデータのデジタル化は、組織がこういった環境のなかで前進するために有効な手段になるでしょう。

Author Bio

ファリズ・アブダラは人材派遣事業とペイロール・HRアウトソーシング事業を展開するCXLグループのCEOです。

テクノロジーを駆使しCXLグループの進化を主導するとともに、人ならではの暖かみを重視した組織開発に取り組んでいます。

コロナ禍における給与計算業務のマネジメントについて

Hassle-free payroll processing

パンデミックが2年目に突入した今、多くの企業は従業員の命と生活を守るという重大な課題に直面しています。目標をしっかりと見据えながら、現実と理想のバランスを取り、常に戦い続けているのです。給与計算のマネジメントもその一つです。

給与計算のマネジメントは容易に安全に行うことができます。

「給与計算業務を外部に委託すべきか?委託する価値はあるのか?」

これはよく議論されるテーマです。

まずは、給与計算のアウトソーシングとはどういったものかを説明するところから始めましょう。これはその名の通り、従業員への給与や経費の支払いの管理・処理を第三者に委託することです。一般的には、委託先は給与計算や勤怠に関する情報を収集した上で、データ処理を行うことになります。

委託先はこれらの情報を収集することで、所得税や保険料の算出を行い、自治体や顧客に対して、法に定められた定期報告を確実に行うとともに支払いを実行します。

Hassle-free payroll processing

給与計算のアウトソーシングは大きなメリットをもたらす

アウトソーシングはどの企業にとっても正しい選択でしょうか?

組織の規模にかかわらず、給与計算は繰り返し行われる業務のため、アウトソーシングすることによって、時間とリソースを大幅に節約できることです。節約できた時間と労力をコアビジネスに集中することができます。

パンデミックの環境下において、失われた勢いを取り戻すためには、コアビジネスに集中することが重要です。パンデミックが発生すると、強制的な地域の閉鎖、サービス提供の中断、サプライチェーンへの影響など、様々な悪影響が生じます。

給与計算のアウトソーシングは、既に企業内でデジタル化が進んでいるかどうかに関わらず検討する価値があります。ワークフローやプロセスのデジタル化を余儀なくされている既存の企業にとっては特に有効な手段となるでしょう。

では、このコロナ禍において、給与計算のアウトソーシングを検討することのメリットをもう少し掘り下げてみましょう。

給与計算のアウトソーシングは、柔軟性があるとともに、現行のワークフローや実務と統合することができます。

新しいソリューションを導入することで、他の重要な業務が損失を受けるということはあってはいけないのです。

例えば、あなたの組織がすでにERPシステムを使っているとします。優れた給与計算のアウトソーシング会社であれば、給与計算モジュールと財務モジュールをシームレスに統合し、組織の給与データを収集・処理することができます。同様に、給与計算に勤怠データを利用している場合は、統合することで人が介在することを最小限に抑えることができます。

Employee Self-Service platform to reach an engaged audience

信頼できる環境での作業が可能

安全性は重要なポイントで、データの安全性が確保されているからこそ安心して任せられます。まず、適切な権限を持った人だけがデータを見ることができるように、アウトソーシング会社にID管理と認証プロセス(生体認証や顔認証など)について尋ねることから始めてましょう。

また、信頼に足るアウトソーシング会社であれば、使用しているデータセンターの安全性とセキュリティを確保しています。外部からの干渉や物理的な脅威の可能性がないか、オフィスも場所を確認してみましょう。また、適切に管理するためのセキュリティポリシーについて質問してみましょう。セキュリティポリシーの証拠として実施されたセキュリティトレーニングについても質問してみる良いでしょう。

評判の良いアウトソーシング会社は、国際的な基準に適合することに重要性を理解している

高い評価を得ているアウトソーシング会社は、国際的な認証評価やISO認証を受けたプロセスを採用しています。ISO(国際標準化機構)は、単に製品や企業の標準化を行うだけではありません。プロセスの改善、安全性、品質を高めることにフォーカスされています。

つまり、これらの認証は国際的な基準を満たしているという安心を提供するものになります。

人員削減による大幅なコスト削減

給与計算業務をアウトソーシングすることで、人事担当者を雇用する必要がなくなります。注目すべき点は、必要な分だけの機能をオプションで利用できることです。

アウトソーシング会社は、通常、幅広いサービスを提供しています。有料オプションを利用すれば、必要に応じて選択した機能を利用することができ、ハードウェアやソフトウェアの導入コストは必要ありません。

クラウドでの人事管理は、従業員に最適なサービスを提供します。

一般的に、クラウドソリューションはいつでもどこでもアクセス可能です。利用者は、ノートPC、タブレット、スマートフォンなど、さまざまな方法でアクセスすることができます。そして、タイムシート管理、請求書や休暇管理、デジタル給与明細など、さまざまな人事サービスにアクセスできます。

これにより、反復的かつ重要な人事業務をより簡単に行うことができるようになります。面倒なペーパーワークや重複作業を省くことができるので、時間を節約できるのです。さらに、ジオロケーション(様々なデータ収集メカニズムを用いてユーザーの地理的な位置を特定すること)により、雇用主は従業員の出勤状況をリアルタイムで把握することができます。最終的に、人事プロセスはスムーズかつシームレスになります。

コンプライアンスの要望にも応えます

組織は法人格を有しているため、従業員の待遇を規定する現地の法律や規制の対象となります。当局は規制の執行に気を配っており、これらの規制は時間の経過とともに拡大する可能性もあるため、組織はベストプラクティスに基づいて、現地の法律を遵守することが不可欠です。

給与計算業務は賃金やボーナスだけのことではありません。採用や解雇、そして病気休暇、インセンティブ、休日、保険、年金制度、その他の手当など、あらゆる種類の報酬が含まれます。給与システムは、会計・税法と連動しているため、法律の適用を受け、コンプライアンスが重要になります。万が一、罰則を受けた場合、罰金や起訴に至ることもあります。

アウトソーシング会社は、給与に関するデータの作成、確認、提出、支払いの責任を負うことになります。そのため、現地の法的規制やその他のコンプライアンス要件に関する専門知識を持っておく必要があります。

SaaS(サービスとして利用できるようにしたソフトウェア)は、組織に大きなメリットとコスト効率をもたらします。

事業継続や災害対策の観点から、収集したデータをしっかり管理するために、どこからでも常にデータにアクセスできるようにしておくことができます。SaaSの場合、企業はハードウェアへのインストールをする必要がなく、さらにアウトソーシング会社の熟練した専門知識を利用することができます。下図のように、このアプローチには拡張性があり、運用の手間を減らすことができるため、ビジネスの成長をサポートします。

SaaS Model

これらは、企業が給与計算のアウトソーシングを検討する上でのメリットのほんの一部です。そろそろ給与計算のアウトソーシングを検討してみませんか?このサービスが貴社にどのようなメリットをもたらすのか、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

著者略歴

ファリズ・アブダラは人材派遣事業とペイロール・HRアウトソーシング事業を展開するCXLグループのCEOです。

テクノロジーを駆使しCXLグループの進化を主導するとともに、人ならではの暖かみを重視した組織開発に取り組んでいます。